12星座詳細その1　牡羊座・白羊宮（はくようきゅう）

白羊宮を定位置とする牡羊座について

　古代の社会において、最も尊ばれた生き物が羊でした。たとえば古代シュメール人の生活は、ほとんど羊に依存したものであり、羊の捕獲、飼育は生活における最優先事項であり、神に捧げる最も高価な生け贄が羊でもあったのです。それだけ「羊毛」は貴重だったのです。

　春の手前の寒く、厳しい冬は私たち現代人においても象徴的な「不毛の時期」ですが、古代人にとっては生命を脅かされる危険ゾーン、まさに「死期」であり、気温差から病を患う人も増え、実際に凍死者も出たことでしょう。暖を取り、熱を蓄えるための羊毛に包まれた羊は、もはや守護神その物です。豊かな白い毛に包まれた野生の羊は、たいそう美しく神々しく、太古の人の目に映り、聖獣として扱われるにも至ったのでしょう。エジプト、ギリシア、ローマでも犠牲獣として敬意を払われた羊の彫像が残されています。キリスト教画ではイエスは黄金の羊、信徒は子羊でも描き表されます。

白羊宮を定位置とする牡羊座について

　牡羊座の部屋は黄道12宮を表すホロスコープ(※)の 最初の宮、第一室です。

　各部屋は均等に30度の幅をもって並んでいますね。同じ 牡羊座でも0度から29.9度まで、生まれた日によって度数が変わり、これだけでも結構な違いを読み取ることができるところとなります。

ナディア・オフィスのブログ、そして日本易道学校のガイダンスでも紹介した2人の牡羊座の大物女性芸能人のチャートが下記でした。

太陽の位置、そして他の星とのからみ方で出生図をこんな風に読み解きますという一例でした。WさんとSさんはそれぞれ誰だか、わかりましたか？　ここからはこちらの2人の牡羊座大物タレントを占うコーナー。

黄道十二宮における第1室

　第一の宮はわたしたちの「自我の部屋」です。

　まず、「私」ありき。自分自身がいることによって、すべてが始まるという考え方は、ある意味自己中心的なものですが、つまるところ私たちは自分自身の頭でしか考えることができません。他者の立場に成り代わって、ものごとを見たつもりになったところでそれは想像に過ぎないです。「我欲」「我が強い」「我がまま」などと言う表現もあるように、やはり自分を中心に据えることが突出すれば、しばしば否定的な行為になることはやむをえません。裏目に出やすい「自我」なのです。

　心理学的に言えば自我とはエゴ/EGO。自意識を動かす無意識を含む「自我」だとする学派もあります。

　自我が強いとされる牡羊座は、存在感があり強く人の先頭に立つタイプであり、世の中にとって必要な存在です。いつの世も時代が生みだすリーダーたちによって歴史は彩られてきました。

　産声とともに私たち人間は母親の体内から 頭から産まれ出てくるもの。

　頭部は、生き物においては生物学的に最も重要なパートです。司令塔である脳があり、唯一無二の顔があり、個人の究極の特徴表す宮です。

　先頭を切って走りたい人、一番手が好きなパイオニア、そんな牡羊座なのです。

守護星：火星

牡羊座の背後に位置する魚座

占術の中の牡羊座　「ウェイト版」第四のアルカナ「皇帝」　４匹の牡羊が観られます

　12の宮の円環において、牡羊座の背後に、魚座は位置しています。牡羊座がつかさどる「自我」と魚座の「無意識」との関係性は興味深いものです。

　　　下記はイギリスの天文学者ジョン・フラムスティード（1646年－1719年） により描かれた天球図上の魚座。

ジョン・フラムスティード - Wikipedia

牡羊座は魚座に対して背を向けるポジションを取り、惑星の進行方向に顔を向けています。得てして、人は自己の思いに率直であろうとするものですが、意識の奥の深い部分にはとんちゃくしないもの。ゆえに「無意識」＝意識することがない　心の奥底。