12星座詳細その8 蠍座・天蝎宮(てんかつきゅう)

フーゴー・グロティウスの銅版画 では3星座がいっしょに。一番下にいる蠍のはさみが天秤を切ってしまうのですね。

長くなるので、さらなる詳細は西洋占星術マスターコースにて。

蠍座:10月22日~11月21日生まれ(※年により変わります) 

深い情念の持ち主。外的なことより内面的なことに関心が強く、ひとりで過ごすことを好み、人づきあいはせまく深くが特徴。全か無かの極端さで自分の好きなことだけに偏りがちで、いわゆるマニアック(一つの事に異常に熱中しているさま)。研究職、専門職で力を発揮する。大衆的、あるいは多数派(マジョリティ)な要素より、少数派(マイノリティ)で、ともすれば反社会的な要素をも受け入れる。・・そんな風に語られる蠍座の正体とは如何に?

 

■蠍というシンボル

 さて、ここでこれまでの7星座とは一転して、毒を持つ危険な生物が登場します。サソリは、古代において「死」「人間に敵対するもの」「誠実」を表すものでした。古代エジプトでは先王朝時代のひとりの王が「サソリ」と呼ばれ、当時存在した呪医もサソリと呼ばれていたという記録があります。

 キリスト教では蛇と同様、地を這う邪悪な存在です。

 ギリシアにおいては 人の恐怖心をあおるサソリ、だけど、どこへでも移動可能な神出鬼没の存在として神格化され、鋭い洞察力と抜け目なさのある人間のシンボルとされるに至ります。敵か味方か、善か悪かと二分するのではなく、敵にも悪にも光を見出そうとする、それはまさしく「自分の敵こそが最大のヒントである」と言った西洋占星術的思想 と合致するもの。まず敵を味方につけよ」こういった格言が世界の至る所にあります。 

 強い毒針により人の生と死を司る脅威的な存在ではあるが、その力をどう自分たちにも取り入れるかという太古の人たちの深い洞察力が垣間見られるところでもあります。

 中世期に発達した錬金術においては、それはそもそも人間の内的変成を説くスピリチュアルな思想なのですが、 精神の変容について、当初危険な存在であったサソリが水辺から上がり地を這う蛇となりながら昇華を果たし、最後に崇高なエネルギーと化す図像などもあり興味深いものです。そこではサソリが翼を有した蛇と化し、最終的にワシと化すのです・・ワシは当然有翼の存在。西洋思想における聖なるテトラモルフ=四聖獣の中でもより高みなる存在、至高の聖獣とされるのがワシです。

 古代エジプトに遡りますと、ホルスの4人の息子たちが、それぞれハヤブサ、ジャッカル、サル、人間の頭を持ち、強き力ある者として、東西南北の四つの基本方位を司ると言う思想があり、この4つ組の概念は、ギリシアに入って「テトラモルフ Tetramorph(『四重の』の意味」と呼ばれるようになります。

人間の感覚的要素を示す獅子、肉体的要素を示す牡牛、高度な精神を表すワシ、これら三つが統合された精神性を示すものとして翼を持った人が象られたものであるのが「テトラモルフ」。多くタロットのアルカナ10、もしくは21において有翼の獅子と牡牛、有翼の水瓶を持った人と言った形で描き表されている聖獣たちワシは見る人によれば昇華する前のサソリなのです。


1800年代中期のミンキアーテ・タロット 左から乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座

■ギリシア神話にみる蠍座&守護星:冥王星

 天秤座の守護神は、冥王星。20世紀に入って1930年にローウェル天文台によって発見された太陽系でも最も外側の惑星です。ローウェル天文台からプルートーと名づけられました。

 太陽系の終点、この世の終わり、黄泉の国を象徴する星とされています。非常に進行が遅く、12宮を一周するのに20年以上費やしますので、個人の運気に関わるというより、世代的または世界的な大きな異変を読むのに適した星でしょう。

 また血族・遺産、男女の怨恨など特定の問題を根深く引きずる傾向がある人には注意して見たい星と言えるかもしれません。

 実際には、2006年8月の国際天文学連合会の裁決において、冥王星が「惑星」の定義からはずされることになったのは記憶に新しいことです。

 ギリシア神話においては冥王星を司るのは冥府の神ハーデス。乙女座・処女宮の項でも重要な役割を果たしていましたね。

 クロノスとレアの長男で、ゼウスの兄に当たります。大空を支配したゼウスとは対照的に物語られるのが常のハーデスは、陰気で変化を嫌い、大変嫉妬深く器が小さいとされ、空と対極にあるはるか地下深くの 暗い死者の国=タルタロスを司るには適役とされたのでした。

 その後、ゼウスには新たに巨人族「ギガンデス」が対抗し出しますが、彼らもゼウス神族には敵わず、ギリシアのアイトナ山に封じ込められます。そこから抜け出そうとするギガンデスの勢いが、この地上の火山活動の由来とされています。

 ハーデスは、ギガンデスに自分の国が奪回され、日の光にさらされてしまうのではと恐れて、常に黒い馬に引かせた黄金の馬車に乗ってオリュンポスを視察して回るのでした。彼の王国には、宝石や貴金属類が蓄えられていたが、ハーデスは守銭奴と化していました。

 美の女神アプロディーテのわるだくみで エロースが愛の矢をハーデスに放ったせいで、ハーデスは、美しいペルセポネの虜となり彼女を黒馬の馬車で連れ去るり、タルタロスの果実・ざくろを食べさせて、地上に戻れないようにしてしまうのでしたね。

 この一件から、ハーデスは、大胆な策略家としても語られることがあります。

 タルタロスには、黒い黄泉の川「ステュクス」が流れ、そこへ行く定めを負った者たちだけが川を渡ってやって来ます。付近には、ケルベロスという三つの頭をした犬が守り役でうろついています。ハーデスは、側に美しい自分の 王妃ペルセポネをはべらせながら、冥府に入場してきた亡者たちの訴えを聞くことを楽しみ、他の神々との交流は避けたと言われています。

 人間たちはハーデスを忌み嫌い恐れたがために、誰もが彼を正しい名前でそのまま呼ぶことをしませんでした。わざと反対の「プルトン」つまり「繁栄、豊かなもの」という呼称も用いられ、これがローマ神話のプルートーと化したという説もあります。


 もう一つの女神アフロディーテ、エロース、ハーデスの三者が絡む物語があります。アフロディーテとエロースがたわむれていた時に、誤って放たれた愛の矢がアフロディーテ自身に当たり、その時目にした青年アドニスに恋をしてしまいます。後に、アドニスは狩りの最中に巨大なイノシシの牙で命を落としてしまいますが、それはアフロディーテと恋仲にあった、戦神アレースの嫉妬の差し金だったのです。

 アフロディーテは、冥界を司るハーデスに彼を生き返らせてくれるよう頼みますが、一度冥界へ来たものを生き返らせることだけはさすがにできず、アドニスを花として転生させたのでした。風に吹かれて散りやすい儚いこの花を、人々は「風の花(アネモネ)」と呼ぶようになったのでした。

(参考図書:中世ヨーロッパ騎士事典 あすなろ書房)

 蠍座の人にとっては生と死は日常。常に生きるか死ぬかというテーマを掲げ、物事に取り組み、本気になると命がけです。生と死を深く見つめ、表面的な生き死にとらわれないところもあります。精神世界の探求者でもあり、人の心を扱う領域、心理学、占術、宗教に縁が深くなります。裏目に出ると疑り深く、恨みの念が強くなり、人間関係上のトラブルを引き起こします。

■黄道十二宮における第8室に見る蠍座

 ホロスコープ上の第8ハウスが天秤座の住まい、定位置です。このハウスは、個人の「「パートナーの部屋」とされています。

 黄道12宮上の第8室は、個人の「生と死の部屋」。

 先回の7室では、自分にないものを補ってくれるパートナーの存在、パートナーシップについて論じましたが、その最たる形が男女の結婚でした。7室は端的に「結婚の部屋」とすることには警告を発しましたが、かみくだいたところの「結婚」です。

 8室はその結婚した男女にまつわるしがらみの部屋と言うとつかみやすいでしょうか。

 生きとし生けるものあらゆる存在が異性の伴侶を持ち、ファミリーを形成するものですが、それはもう種族保存の本能によるものでもあり、個人の意志を超えた領域のことでもあります。

 子を成すこと、世継ぎについて、後継者ばかりでなく、自分に命を授けてくれた先祖について、主に父方の血筋についてなどもここで論じられます。生殖器を暗示する部屋でもあり、健康面のリーディングがなされるところでもあります。結婚相手からもたらされるもの、避けられない宿命へと象徴的な意味合いが派生していきます。遺産運から転じて、土地・不動産運を視る占術家もいます。

 

 実は心理学的にも、家族・親子の関係性には重要な事柄が象徴されているとされています。否応なく関係づけられ、中には水と油のような家族もいることでしょう。しかし、遺伝子でつながっているため、なにがしか共通点があるものです。

 その一点でおたがいを理解していくことの重要性を再考すべきでしょう。嫌いな相手なら、つき合っていかなければよい話ですが、それができない相手、嫌いな気持ちを越えて憎しみを覚える相手が出てきた時こそ、人生な大きな転換期であると筆者は考えます。蠍座の位置する場所はどこまでも深く深く、「正解」などないところなのです。

※ホロスコープについては、西洋占星術の基礎知識を参照のこと

 

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■蠍座のハーブ(薬草・香草):乳香(フランキンセス)

 別名、オリバナム、薫陸香(くんろくこう)。 アロマオイルが有名ですね。カンラン科乳香樹と同属植物の樹皮に傷をつけて採集した樹液が使用されます。乳白色の樹脂がこの和名の由来でしょう。ソマリア産が上質とされています。古来より、没薬と併用されることが多く、オリエント、エジプト、ギリシア・ローマの代表的な香料で、宗教儀式に用いられました。

 精油は、散血、止血、うっ血、筋肉の鎮痛、抗菌、縫合作用、生理不順及び生理痛を改善するのに用いられ、頻繁に没薬と併用されます。

 精神の沈静化、空気の清浄作用をもたらすものとして、古来より聖域で使用され、瞑想用の定番と言えるもの。神聖にして強力なる力を呼び覚まし、霊力を高める香として魔術愛好家たちの間ではポピュラーでしょう。

 聖書の文書中に、イエス・キリスト誕生に際しまして、東方より三人の占星学者が、「ユダヤの王」なるイエス・キリストに、それぞれ黄金、乳香、没薬を寄贈し、このときイエスが手にしたのが「乳香」であるという話をご存知の方も多いでしょう。

 どれも当時としては非常に高価なものであると同時に、聖者たちの仕事道具でもありました。 黄金=王権・富、乳香=神殿に供える香として、神性さ、没薬(ミルラ)=は古来より防腐剤として使用されてきた香草であり、いかにイエス・キリストが尊ばれるべき存在かが語られているかというのが一般な解釈です。

 三聖者たちの、キリスト生誕を尊ぶ気持ちの表れであると解釈する一方で、ここで既にキリストの栄誉、死、復活が予言されていると解釈する専門家も存在します。ある専門家は、「人類を救うために地上に来られたイエスの誕生への贈り物として乳香、没薬が選ばれたのは単に高価であるという事だけでなく、誕生以降のイエスの生涯に於いて死をも含めた肉体的苦痛が予見されていたからなのではないか」と語っています。

 乳香も没薬も、その薬効から他のハーブとは一線を画する扱いをされ、高価であることはもちろん、。さらにこの2つを併用するというケースが多いのです。


以上、蠍座のパーソナリティ研究をお伝えいたしました。ハーブの詳しい使用法は、ハーバル・タロット&レメディコースでお会いしましょう☆彡

以下は、西洋占星術マスターコースでお会いしましょう☆彡

■蠍座が司る地というエレメント


■蠍座の不動性というクオリティ


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さてさて蠍座の正体、いかがでしたでしょうか?

この蠍座の時期に、あなたがなすべきこととは?

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